コンピュータデータベース・インターネットの情報源としての利点と欠点(JIM 10, 2000 220ページ 加筆修正)


情報源

利点

欠点

データベース一般

網羅的な検索や絞り込んだ検索など、情報選択の自由度が高い。
データベースによってはコンピュータにインストールすることで持ち運びが簡単になるものがある。
コンピュータや検索ソフトの使用法を習得する必要がある。
データベースによって、あるいは検索ソフトによって、使用法、検索手順が異なる。
多くは英語である。
インターネット一般
膨大な情報にアクセスできる。
検索エンジンやキーワード、利用サイトなどを工夫することで、効率のよい検索が可能になる。
外国語辞書や翻訳サイトなどのツールも同時に利用可能である。
得られた情報の信頼性や妥当性、まとめられた年月日、また検索に漏れがないかどうかなど、チェックしなければならないことが多い。
検索方法やキーワードの利用法など、事情に精通する必要がある。
Medline
医学論文データベースとしては網羅的であり広く用いられている。
キーワード(Medical Subject Headings) 検索や、文献の種類による絞り込みなど、たくさんの検索オプションがある。
PubMed を用いると無料で検索できる。一部の雑誌には本文へのリンクが用意されている。
その他にも、OvidやPaperChase など様々な検索システムが用意されている。
網羅的ではあるが、必ずしもすべてを漏らしているわけではない。
検索の自由度が高くオプションが多い分、なれるのに時間がかかる。
多くの論文は題名や抄録しか確認できない。
検索システムごとに使い方が異なり、同じような検索語を入力しても検索結果が大きく異なることがある。
英語である。
医学中央雑誌
日本語の医学論文情報については網羅的。学会抄録も登録されている。
キーワードシステムも改善され、検索環境も整備されつつある。日本語である。
見ることのできる抄録のほとんどが構造化されていないので、抄録から内容の把握が困難。
原著論文が少ない
(これらは、和文雑誌の問題点である)
Cochrane Library
治療に関する臨床試験を網羅的に集めたデータベースが提供されている。
コクラン共同計画による系統的レビューは全文が読め、検索も可能である。
他の系統的レビューや経済分析などの論文のデータベースが、詳細なサマリーと共に提供されている。
コンピュータにインストールできる。
臨床試験のデータベースは、題名や抄録した確認できない。
コクラン共同計画の系統的レビューは記載形式が詳細で体位をくみ取るのに慣れが必要である。
系統的レビューや経済分析のデータベースは原文の確認はできない。
治療以外の情報は不十分である。
英語である。
UpToDate
病態生理学的な情報もまとめられ、分野も広く、多くの疑問や課題に対応できる。年3回の改訂。
系統だった知識を得やすい。検索システムやクロスリンクが整備されていて、直感的に利用しやすい。参考文献の抄録を確認できる。コンピュータやPDAへのインストール、インターネットアクセスなど様々な利用方法が提供される。
臨床での判断方法などが具体的にまとめられているが、感度特異度や治療効果の指標などの定量的な数値を欠く場合がある。
北米の執筆者が多く、内容も北米での利用を想定して作成されているため、北米で利用されていない薬剤については記載に乏しい。
Clinical Evidence
治療を中心に疾患別にまとめられている。治療については、研究結果や治療効果、副作用が示され一般的な推奨が示される。年2回改訂されている。
コンピュータやPDAへのインストール、インターネットアクセス、紙媒体での提供など、様々な利用法が提供される。
頻度が高く社会的に重要な分野・疾患から進められており、すべての分野を網羅しているとは言えない。
疫学や疾患の定義、診断などについてのまとめは簡略化されている。
医療情報サイト
例:BestBETs, ATTRACT, Guideline Clearinighouse, PedsCCM
適切なものを選べば価値ある情報への近道となる。
無料で利用可能なものもある。
疑問を提示すると、それに答えてくれる情報を提供するサイトもある。
内容、妥当性は玉石混交であり、サイトの質を見る目が重要になる。
改訂されず情報が古くなるまま放置されているサイトもある。
医学情報サービス
例:MD Consult, InfoPOEMs, TRIP Database, SUMSEARCH, DynaMed
多くの場合、教科書やマニュアル、ガイドラインなどの系統的な情報と、原著論文という個別性の高い情報を同時に提供する。
サービスごとに特色がある。有名教科書の全文提供、患者用パンフレットやメールによる情報サービス、臨床判断支援ツール、二次情報誌の提供など。
無料のものもある。
サービスごとに検索方法や提供される情報が異なる。利用者側の慣れや工夫が必要になる。
サービスによっては、たくさんの情報が紹介されるため、結局その中から課題にあった妥当性の高いものを選ぶのに手間取る。
有料のものが多い。