臨床現場で利用可能な情報源の例とその利点・欠点(JIM 10, 2000 219ページ 加筆修正)

情報源

利点
欠点
同僚、他の医療職など
現場の状況や都合に合わせた情報提供とその解釈が期待できる
実際の患者の状態を把握した上で、適切な情報提供が期待できる
その情報に基づく判断・実行の段階で協力が期待できる
情報提供者の好みや興味、利害関係などに影響を受けて偏っている可能性がある。
提供者によるばらつきが見られることがある。
妥当性の高い情報が見落とされている危険を伴う。
教科書
手元の起きやすく、保存も持ち運びも比較的簡単。
ふつうの論文に比べて、整理され統合され吟味された上でまとめられていることが多い。
小さくまとまっていて、持ち運びが簡単なものもある。
すぐ時代遅れになる(特に、海外の教科書の訳本の場合、翻訳による遅れも無視できない)。
情報は網羅的であるが、個別性を欠き具体的な情報が不十分な場合がある。
雑誌の特集(特に、邦文雑誌のもの)
一つのトピックを概観できる。
最新のトピック、今話題になっているトピック、読者にとって重要なトピックが取り扱われる。
教科書よりも掘り下げられ、原著論文よりも統合化されている。
読者の興味や流行に強い影響を受けるため、臨床での重要性をふまえたものではないことがある。たとえば、効果の定まらない実験的な研究が大きく取り上げられ、すでに効果の明らかな従来の治療が無視されるなどといったことがある。
原著論文(特に新着雑誌のもの)
最新の情報が掲載されている
雑誌1冊や論文のコピーは持ち運びが便利。
雑誌を選択することで、自分の興味や疑問に近い情報に限定することができる。
必ずしも、必要な情報があるとは限らない。
すべてを網羅しきれないほど多い。
身近なところですべての保存は困難。
必要な論文を探すのは容易ではない。
多くは英語である。
Evidence-based Medicine, Evidence-based Nursing, ACP Journal Clubなどの二次情報誌
一定の形式に論文がまとめられており読みやすい。
質の高い論文が選択されており、読む価値の高い情報が多い。
同時に他の専門家の意見が掲載されている。
原著よりは情報量が少ない。
一般的な疾患、疑問に対するものが多く、特殊な疾患、特殊な疑問に関しては対応しきれない。
多くは英語である。
邦文雑誌などでの論文紹介
比較的最近の情報が掲載されている。
海外の論文の内容を日本語で把握できる。
専門家が論文の内容を吟味し掘り下げていることがある。
原著を読む助けになる。
選択基準が不明確で、紹介者や興味や利害関係による偏りを否定できない。
紹介文が、単なる原著抄録の翻訳にすぎないことがある。
教科書や総説の参考文献リスト
その分野の質の高い論文のリストであることがある。
本文の内容と照らし合わせることで、だいたいの内容が把握できる。
量が少なければ掲載段階で選択に偏りが生じている可能性がある。
量が多ければ、目的の情報を見つけにくくなる。
コンピュータデータベース・インターネット情報
別表に示した