もう少し具体的な状況を考えてみましょう。ほとんどのチュータ・ファシリテータは以下のような状況に直面します。その障害をどうやってグループワークの深まりにつなげるか、そのヒントをいくつか挙げておきます。

2small group working で参加者とtutorが直面する障害
沈黙の時間、空虚な時間
このような時間が生じた原因の例:グループワークが定まらない。リーダーシップをとる者が出てこない。グループに問いかけても何の返事も帰ってこない。チューターから投げかけられた質問の意味が分からない。グループワークに集中できない。一度にたくさんの作業が提案された。疲れてしまった。眠い。
→タイムを宣言して、いったん休む。お茶を飲む。グループをさらに細かく分けて(
2-3人)分担作業を行うようにする。

飛び跳ね現象
何につけ些細と思われる事項の説明や解釈に時間がとられて、全く進んでいる気がしない。話題がめまぐるしく変わるためついていけない。あるいは、明らかに議論についていけない参加者がいて、グループワークの進行がぎくしゃくしている。
→タイムを宣言して、いったん休む。または、今の作業のポイントは何か、みんなで振り返る時間を設ける(
1分くらい沈黙して一人一人で考える時間を提案するのも可)。

グループワークと参加者の不調和
発言を全くしない参加者がいる。
→グループ内をさらに2−3人のグループに分けて、それぞれに作業を割り当てる。こうすると発言しにくいと感じている参加者も発言せざるを得なくなり、グループワークの活性化のきっかけになることがある。

逆にしゃべり続ける参加者がいる。または、挑戦的な発言を繰り返す参加者がいる。
→発言の意図を聞く。グループワークと全く異なる興味を持っているようなら、その興味に対してポジティブな態度を示した上で、グループワーク終了後のまとめの時間でみんなにその点を提案することを発言者に勧める。もしその興味が重要なものであり、しかも今回のワークショップでの題材・目的を越えているように思えたら、今回のグループワークではそこまで想定していないことをわびた上で、「今後ぜひあなたの協力を得てそこまで視野に入れたワークショップを行ってみたい」と提案するのもよい。

グループワークの中での緊張感
緊張感が生じる原因の例:
グループワークが速すぎる、遅すぎる。
今話題になっていることが重要でない気がする。
専門用語が多すぎて面白くない。
自分の発言が他人に誤解されたと思えた。
人の発言を聞いて自分や他の参加者に対する敵意を感じた。
→まさに、タイムの必要なとき。どうして今のような状態になったか、ちょっと振り返ってまとめる。もう一度グループワークの目的を明らかにする。グループワークの障害が何か確認する。

グループワークの中で考えるべき事・参加者に確認すべき事
作業目的はどう決める?
作業手順はどうする?
チーム内の役割分担は?
チューターはそこにいるべきか?
何を持って作業終了とするか?
→もし、グループワークがどんどん進むようなら、チュータはしゃべることはなくなります。そんなグループワークが最も良いのかもしれません。